働き方"デザイン"研究所

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求人票の見方と注意点【押さえておくべき4つの項目】

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こんにちは、knotです。就職・転職活動をする際に、必ず求人条件を確認すると思いますが、正しい見方をご存知ですか?

就職・転職活動において、

入社時にどのような労働条件になるのか気になりますよね。

「月収はどのくらいで、年収はどの程度見込めるのか」

「年間で休日はどのくらいあるのか」

「残業時間はどのくらいあって、繁忙期はいつなのか」

など、待遇や会社のルールが気にならない方は少ないのではないでしょうか。

今回は求人票の見方について、最低限知っておくべき4つの項目を解説いたします!

ハローワークの求人票を元にお伝えしますが、基本的に求人票の記載内容に大きく相違することはありません。今後就職や転職を考えている方はぜひ参考にしてください!

求人票の見方

まず初めに、実際の求人票の項目を確認してみましょう。

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引用:厚生労働省【求人申込書の書き方】より

画像の求人票は、ハローワーク(公共職業安定所)で利用されているサンプルとなりますが、

その他求人サイト・転職サイトであっても記載される事項にほとんど差はありませんので、

今回はこちらの求人票から押させておくべき4つの項目について解説いたします。

項目によっては細かい部分もありますが、人生を左右しますのでぜひ確認する癖を付けましょう!

A:月額給与

働く方が一番気になる項目は

月額給与かと思います。

生活をする上で毎月の収入は必要不可欠ですし、

就職・転職後の生活水準も決まりますので、真っ先に注目すべき項目になるでしょう。

この月額給与だけではその企業がブラック企業なのか、ホワイト企業なのか判断することは難しいですが、

自分と同年代の方がどの程度稼いでいるのかを基準にすると、その企業の立ち位置を判断する材料になると言えます。

国税庁の平成30年民間給与実態統計調査を参考に、平均年収および平均月収の表を作成しましたので、

単純に「このくらいの給与があれば、満足できる」という主観だけではなく、客観的な材料もぜひ考慮してみてください。

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また、求人票に記載されている月額給与については

税金を控除する前の金額になりますので、総支給額です。

手元に残る金額の目安は、総支給額×80%でざっくりと計算できますので、

求人票に記載されている金額が20万円とすると

20万円×80%=16万円が手取り金額と事前に計算した上で、応募するか考えましょう。

B:固定残業代

固定残業代とは、

残業をする・しないに関係なく、基本給等と併せて支払われる毎月定額の残業代のことを固定残業代といいます。

従業員からすると、残業時間が少なくても一定の残業代が支給されるためメリットがあるのですが、

導入している企業にとっては実はデメリットの方が多いのです。

企業が固定残業代を導入するメリットとして

  • 設定した時間内の残業時間であれば、残業代の計算をすることがないため手間が省ける

  • 年間の残業代がどの程度発生するのか試算しやすいため、人件費の予算が組みやすい

などを上げて解説しているケースもありますが、

そもそも固定残業代の制度は

「残業時間が発生していなくても、設定した時間分は支払う義務が生じる」

「設定した時間を超過した場合はその時間数分の残業代を支払う義務が生じる」

ことになります。

つまり、

固定残業制度を導入したとしても残業時間は集計しなければなりませんし、残業があってもなくてもその時間分は支払う必要があるため、人件費は圧迫されることになります。

従って、会社にはメリットのある制度と言い切ることは難しいのです。

ではなぜこのデメリットが目立つ制度を導入するのでしょうか?

企業が固定残業代を導入する理由

デメリットがあるにも関わらず、

固定残業代を導入する理由は総支給額を高く見せるためです。

【A:月額給与】にて表示される金額は、基本給だけでなく、各種手当て等を含めた金額です。

下記のような求人があると仮定すると、

  • 求人A:月給250,000円(基本給206,000円、固定残業代30時間分44,000円)

  • 求人B:月給220,000円(基本給220,000円、残業代は別途支給)

求人Aの方が給与も高く、一見魅力的な企業に感じますよね。そのため求職者からの応募増加を見込んでいるのです。

しかし実際の労働条件次第では、求人Bの方が高くなるケースがありますので

同じ労働環境で比較してみましょう。

月所定労働時間:176時間・残業時間:30時間・賞与:基本給×4ヶ月分の場合の比較
求人A 求人B
   基本給    206,000円       220,000円   
   残業代    44,000円       46,875円   
   月給    250,000円       266,875円   
   賞与    824,000円       880,000円   
   年収    3,824,000円       4,082,500円   

このように、実際に30時間残業をした場合、

求人Aでは元々固定残業代として支払われているため残業代は支払われませんが、

求人Bでは46,875円の残業代が発生することとなり、月給だけでも16,875円の差額があります。

また、賞与の計算についても基本給のみを計算対象とするため56,000円も異なり、

年収ベースでは258,500円と、同じ働き方をしているにも関わらず一ヶ月分の給与も差が出ることもあるのです。

固定残業代が導入されている求人を検討する際には、基本給も必ずチェックしましょう。同じ労働条件(労働時間や労働日数)の場合は、年収に差が生じることがありますので、注意してください!

C:労働/残業時間

この項目には、その会社での労働時間や残業見込み時間が記載されています。

働きやすさに直結する項目ですので確認しておきましょう。

特記事項(備考)には、繁忙期のタイミングや深夜残業の有無など、その他知っておくべき企業情報が載っている場合があります。

ただし、求人票にはあくまでも目安の数値が記載されていますので、面接の際等に質問をして会社の実態を確認することも意識してください。

労働時間や残業については質問がしにくい……と思うかもしれませんが、自分に合わない会社に入社していまう方が、早期退職などお互いに望んでいない結果になります。気になる項目はちゃんと聞いておきましょう!

D:週/年間の休日数

一週間の休日数とルール

まず一週間の休日数の欄を確認する場合は、

「週休2日制」「完全週休2日制」のどちらに設定がされているのか押さえておきましょう。

完全の文字以外は同じ表現なのですが、実は全く違う条件です。

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上記の表で解説した通り、

「完全週休2日制」は、毎週必ず2日間の休みがありますが

「週休二2日制」は月に1度でも週に2回の休みがあれば、該当することになります。

入社してから「あれ、日曜日しか休みはないんですか?」となったのでは時既に遅し、です。しっかりと違いを確認した上で応募することが大切ですね!

年間休日数は120日前後あるのか、105日前後なのかを確認する

また、この休日の制度以外にも確認すべき項目は年間休日数です。

日数を基準に、ブラック企業なのかホワイト企業なのか判断する場合には、

年間休日数が120日前後あるのかを一つの線引に置いておきましょう。

2020年のカレンダーで解説すると、土曜日と日曜日の数は104日、祝日は16日あります。

土日および祝日が休日となる会社の場合は、年間休日数は最低でも120日になり、ここにお盆や年末年始の休日が加わると120日を超えるケースがあります。

一方で、年間休日が105日というのは土日がほとんど休みになりますが、祝日やお盆、年末年始に休みが取れない計算になるのです。

もしくは、「土曜は毎月1回、祝日は基本的には出勤・日曜は全て休日」のケースもあります。

この内訳は、

日曜日は年間52日、土曜日は40日の休みです。ここにお盆や年末年始休暇など会社で定められた休日が13日あれば、

年間休日は52日+40日+13日=105日となります。

年間休日120日と比べると15日の差ですが、同じ給与にも関わらず2週間も労働日数が異なるのは不満も生まれるのではないでしょうか。

最終的には自分のやりたいことを軸に考えよう

今回は求人票の見方について、最低限押さえるべき4つの項目を解説いたしました。

今回のポイントをまとめると

  • 年収見込と平均相場を元に応募を考えている企業がどの位置にあるのか想像をする

  • 固定残業代が導入されている企業なのか、またその対象となる残業時間数はどの程度なのか

  • 年間の休日数と週に何日休めるのか

この辺りを押さえておくだけでも求人を出している企業の状況が、働きやすい環境なのか待遇面から測ることができます。

ただし、実際の職場環境や人間関係等は実際に入社するまでは当然分かりません。

その会社の仕事内容や、自分自身がやりたい事、何を会社に求めるのかを整理することが一番大切です。

求人票からどのような会社なのか判断することは難しいですが、どういった環境なのか想像することはできます。ぜひ今回の内容を参考に、働きたい!と思える会社を探していただければと思います。