働き方"デザイン"研究所

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退職って2週間前に伝えればいいんですよね?――退職の決まりについてご説明します!

f:id:lapislazuri33:20181014171719j:plain こんにちは、HRコンサルタントのknotです。

キャリアアップのために別の会社へ転職する場合や、
公務員試験を受けるために勉強へ専念したい場合において、

現在の会社を退職するという選択を選ぶ方、いらっしゃるのではないでしょうか。

大学を卒業してから3年後に退職する割合は3割程度は転職などにより会社を辞めると言われています。

転職するにせよ、公務員試験を受けるにせよ、現在勤めている会社を辞める手続きは避けては通れない道ですよね。

退職したい!と思うのは誰しも自由にできますが、退職の手続きについてはルールがありますので、解説いたします。

  
  

  
  

退職とは

働く人が会社を辞めることについて、
法律的な表現によると結んでいる雇用契約の解約となるのですが、
解約には2種類の方法があります。

  • 解雇
    会社側から一方的に解約することをいい,、俗にいう「クビだから来なくていいよ」がこれに該当します

  • 退職
    働く側から一方的に解約*1することをいい、退職届や退職願により会社を辞めることになります

従って、退職とは、雇用契約を解約する一つの手段といえます。

  
  

雇用契約によって異なる退職のルール

働く側が会社を辞めたいと意思表示した時点で、会社側はこの意思を拒むことはできません。

だからといっていつでもすぐに辞めていいとなると、会社側からすると仕事の引継ぎや代わりの人材を探す準備ができない、等の観点から困ってしまいますので、退職に関して守らなければならない一定のルールがあります。

  

雇用期間に定めがない場合

正社員のように雇用契約に期間の定めがない場合の退職については、民法にて次のように定められています。

民法第627条1項
「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。」

つまり、退職したい日から遅くとも2週間前までに退職する意思表示を会社にすることで退職できることになります。
厳密に言うと、2週間前でなくとも可能ですが、その際は会社から損害賠償請求されるリスクがあるので注意が必要です。

  

雇用期間に定めがある場合

一方で、いわゆる契約社員やパートタイマー、アルバイトのように雇用契約に期間の定めがある*2場合は、正社員とは異なるルールが適用されます。

「この日からこの日までの期間働いてください」と会社からの要望に対して、
「提示されている期間まで働きます」と働く側がその要望に合意するわけですので、
定められた期間の途中で一方的に退職することはできないように同じく民法にて制限されています。

民法第628条
「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。」

やむを得ない事由があるときは退職できるとなっていますが、
病気によって働けない、であったり、家庭的な事情や職場環境に問題があるなどの理由が必要となります。

一方的な退職については制限されていますが、
退職について会社側が納得してくれるのであれば、正社員と同じようにいつでも退職はできますので、 どのタイミングで退職するのか、なぜ退職するのか、しっかりと検討し、会社と話し合った上で判断しましょう。   
  

就業規則を確認して円満な退職を心掛ける

雇用期間の定めの有無によって、退職できるタイミングについてそれぞれ解説いたしましたが、
多くの会社では、就業規則にて「退職の申入れを1か月以上前に行うこと」と規定されているケースが一般的です。
就業規則は会社で定めるルールブックであり、その会社で働く上では守らなければなりませんので、

民法で2週間前に退職ができるから2週間後辞めます!

と法律ばかりを主張するのではなく、モラルを考えた上で判断することをおすすめします。

転職した場合であっても、以前に勤めていた職場の方とばったり出会うケースもありますし、
仕事での関わりもあるかもしれません。
実際、私も前職でお世話になった上司や先輩と一年に一回程度ですが情報交換の場を設けていただき、仕事の幅を広げることもできますので、
会社を辞める際は、ルールを守って円満に退職できることが一番ではないでしょうか。

*1:諭旨退職や定年退職といった会社との取り決めによる退職も該当

*2:雇用期間は2018年4月1日から2019年3月31日まで
のようにあらかじめ働く『期間』が定まっていること。雇用契約書などに明示される必要がある